措置と契約 4
2008-05-21

へらおおばこです。
花の冠がかわいくて、風にゆれていると眺めているだけで癒されます。
措置と契約でいくつか記事を書いてきましたが、障碍者自立支援法を導入するとき
厚労省ははっきり、その目的として自治体の地方ごとの格差をなくすためと公言しました。
しかし、実態はその地域の経済力などの体力や、福祉、障碍などに対する考え方の差が
対応にでてくるばかりです。
児童福祉法ではすべての子供たち(障碍児、養育拒否や虐待などを受けた子供など)が
施設を利用するとき、措置制度として公費負担でしたが
障碍者自立支援法が施行されたことによって障碍をもったお子さんだけが
都道府県の判断しだいで契約制度として原則、養育者が1割負担することになりました。
それに、契約になると施設の利用料だけではなく教育費や医療費も自己負担となります。
しかも、都道府県の多くが厚労省の措置にする時の例を守っているために
多くが契約とされてしまいました。
同じ子供なのに、障碍があるということでふるいにかけられて
安心して生活する場を奪われています。
先の記事でもとりあげたように、東京都の児童相談所のように
子供が置かれている状況や、虐待などの有無、親の養育能力などをまったく無視して
すべて最初から契約制度ありきで、親の支払いをもとめ
その結果、子供たちが施設から退去せざる得ない状態や
虐待を繰り返す親のところへ戻されるような状態が続いています。
それぞれの住んでいる地域よって、環境をしっかり調べて
子供が必要としている施設ので生活などを踏まえて
措置制度を適用する自治体もある一方で
事情や環境などをまったく考慮せずに最初から契約制度にするという
対応のところもあります。
自治体が契約に走る理由は厚労省が例としてあげた以下のような内容が原因になっています。
2006年に障碍者自立支援法の施行を前に厚労省は
保護者が不在であるか、精神疾患であるか、虐待などをおこなっているか
どれかにあたるばあい、措置にする発表しています。
これだけなら、多くの子供たちが措置扱いになるはずですが
厚労省が示した例は以下のような、契約ありきの内容です。
たとえば
親が不在という場合、施設に入所していたり病院に入院しているときは不在にはなりません。
(仕事もできず、家庭のこともまかなえないような状態なのに・・・です。)
精神疾患という場合も、家裁に成年後見人の利用申請中の保護者と限定しています。
(成年後見人制度については民事局 成年後見制度 〜成年後見登記制度〜
こちらをごらんください。
内容をみていただければわかりますが、手続が大変煩雑でしかも金銭的な負担もかかります
数ヶ月手続にかかってしまうという状態になります。
判断能力などの鑑定に鑑定医をお願いして10万〜30万円前後かかるといいますし
時間と金銭と労力が手続に必要です。
通常の裁判などでも、鑑定医になってくださる医師を捜すことに時間がかかる場合もあります。
金銭的に余裕があるならともかく、精神疾患などで仕事もままならない方では
制度を利用することも難しいということになります。
成年後見制度利用支援事業といって、それぞれの自治体で
申立て費用や後見人の報酬を補助する場合もありますが
生活保護を受けていることが必要などの条件を決められたところが多く
利用できる方の枠がとても少なくなっています。
どういった状態が判断能力がないのか、どういう病状などかの判定も難しいと思いますが
それでも、精神疾患の場合は後見人制度の利用が条件になっています。)
虐待にいたっては、虐待の可能性がある上に施設の利用料などをわざと支払わないなどの親でも
虐待による養育拒否ではないとしています。
つまり、何がなんでも子供がどんな状態であろうと、家族がどんな状態であろうと
契約にするようにという指示がでているのです。
そして、厚労省は
親の経済的事情は措置の条件にはならない。
滞納世帯の子は施設から契約を解除されても仕方がない
と言っています。
つまり、親がしつけという名目で虐待を繰り返そうが
入院などによって食べさせることすらできない状態であろうが
学校にやらずに教育の場を取り上げるような親元であろうが
利用料を滞納すれば退所させて当然だと言うわけです。
親の状態や考えで、利用料の滞納を繰り返したあげくに、障碍をもっている子供たちが
教育を受けることすらできないような環境、暴力をふるわれるような家庭に戻ることに
施設で子供たちに関わる人たちが心を痛めたとしても
すべての障碍をもった子供たちの費用を肩代わりすることはできません。
しかも、滞納された利用料を徴収することすら難しい親たちなのですから
それらを補わなければならない施設自体も負担が重く
そこで親が退所させてしまう子供たちが多くなっては経営が危うくなってしまいます。
多くの施設で子供たちを守るためにと未収金を肩代わりをしている状況でも
措置制度とちがって、契約になると医療費や教育費も自費となるために
負担が重いと子供たちを退所させてしまう親がいるということです。
これらは、親の経済力などを考慮しないという厚労省が行ったことです。
少子化対策にやっきになっているはずの厚労省にとって
障碍をもっている子供たちは、児童福祉法でまもられる人間の子供という概念には
入らないということなのでしょう。
契約にすれば、地方自治体も国も、親と施設の契約ですから
何かあっても責任を負う必要はありません。
今の長寿阻止医療制度と同じで、国や自治体が一切責任を負わない環境を
つくってしまうという考えに基づいて作られた制度だということがわかります。
守るべき子供たちを、そして社会的に弱い立場の人たちを守らないような国に
誰もが安心して暮らしていけるでしょうか。
何故なら、だれもがどうやっても高齢者になるのですし、病気やけがを
予防するなんてことはできないのですから。
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